越境ECサイトの始め方|事前準備とサイト制作の方法を詳細解説

に日本市場でECを展開して安定的な売上を出せているため、次のフェーズとして海外の顧客向けに販売して事業を拡大していきたい。こういった国をまたいで行われる電子取引は「越境EC」と呼ばれます。

 

世界的に品質が評価されている日本製品は外国人からの人気も高く、アメリカなど購買力のある経済国や伸長が続く新興国にマーケットを開拓できるのが大きな魅力です。

 

ただ、これまで国内でしか販売を行っていない場合、いざ越境ECサイトを作るとなると「どのように配送するか」「通関や税金の問題はどうなるか」などの不安が解決できず、二の足を踏んでしまうことも多いでしょう。

 

そこで本記事では、越境ECの展開を検討している企業担当者の悩みを解決できるよう、越境ECサイトのメリット・具体的な始め方について詳しく解説します。

 

越境ECサイトとは・市場動向と参入の利点

 

 

初めに、越境ECの基本、市場動向や企業にとってのメリット・デメリットについてご紹介しましょう。

 

越境ECとは

 

改めて説明すると、越境ECとは「多言語、および多通貨に対応している国境を越えて展開される国際的な通販取引」のこと。日本国内では、日本の商品を海外の消費者に向けて販売するビジネス形態の企業が一般的です。

 

自身で専用の越境ECサイトを制作して海外でマーケティングする方法の他、既に存在する海外のECモールに出店する方法もあります。

 

越境EC市場の動向

 

越境ECサイトの市場規模は、ここ数年にわたって拡大傾向にあります。その背景は様々ですが、主にスマートフォンなどデバイスの急激な普及に伴うインターネット利用者数の増加、東南アジア・ラテンアメリカといった成長フェーズにある新興国のEC市場拡大などが挙げられます。

 

実際、国際的な郵送サービスを提供する「International Post Corporation」が40か国でオンライン消費について調査したレポートによると、2020年時点で回答者の約1/3がそれまでより越境ECの使用頻度が上がったと回答し、そのうち多数が今後も越境ECサイトの利用を増やす方向性であると回答しました。

 

また、2022年8月に経済産業省から発表された「令和3年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2019年における世界の越境EC市場規模は7,800億米ドルと推計され、これは2026年には4兆8,200億米ドルにまで拡大するとの予測を出しています。

 

越境ECに参入する利点

 

これまで国内でのみEC事業を展開してきた企業が越境ECに参入することには、多くの利点があります。

 

まず、広大な新規市場を開拓できる事です。

日本は経済が停滞して久しく、直近では新型コロナウイルスの流行や記録的な円安・物価高を受け、購買意欲は悪化傾向にあります。一方で世界に目を向けると、インターネット普及と経済の成長に伴ってEC市場が急拡大を続けている新興国も少なくありません。

 

そして、時流も追い風となっています。

今回のパンデミックは、ECの利用経験がなかった層に利用の機会を与え、多くの人がその利便性に気づきました。世界中でECによる買い物を習慣にする人が増えたという意味で、今は参入の好機と言えるでしょう。

 

加えて、2022年後半から続いている円安相場は、海外消費者の購入量増加に直結します。

 

このように越境ECの展開は、多くの利点や可能性にリーチできる事を意味するのです。

しかし一方で、決済手段や貿易・関税や物流に関する規制への理解、サイト多言語化の準備等も必要になり、実現には入念な準備が必要です。そこで続いては、具体的に越境ECを始める方法について解説しましょう。

 

サイトは必要?越境ECを行う事前準備と2つの出店方法

 

 

続いては、越境ECを始める方法について詳しく解説していきましょう。

 

通関書類の作成・配送方法を決定する

 

まずは事前準備として、メインのターゲット国を決め、通関書類の作成と配送を問題なく行える準備を整えます。

その後、販売したい商品について通関・配送が問題なく行えるかどうかを確認してください。国によっては輸送できるもの・出来ないものがあります。

 

また、越境ECでは商品発送時に「通関書類」の作成が必須となり、運営会社が指定する方法で電子申告をするか、通関書類作成アプリを使用して処理する方法が一般的です。

発生する関税は基本的に購入者の負担となるため、商品受け取り時に追加の支払いが必要になるケースについて、サイトや販売ページに明瞭な記載を行います。

 

配送に関しては、配送方法を選択し、送料の条件を設定する必要があります。配送方法には国際郵便の「EMS」の使用、または「DHL」「FedEx」「ヤマト運輸」といった運送会社等があり、貴社のニーズに合わせて選びましょう。

 

販売する商品を選定する

 

次に、海外に向けて販売する商品を選定してゆきます。

取り扱い商品が多くある場合は、まず通関と現地法、配送方法に関する規制を通過できる商品を選定し、残った選択肢の中から「需要がある」「積極的に販売したい」商品を選ぶ流れが効率的です。

 

実際に販売する商品を決めるうえでは、事前の詳細な現地調査が欠かせません。経済規模や社会構造・文化的背景のほか、市場の現況やトレンドを把握と照らし合わせて具体的なターゲットを設定しましょう。

ターゲット設定の際は年齢層・収入・性別などの基本情報だけでなく、より個人的な「悩み」や「人間関係」「購入に至るまでのプロセス」なども含めて設定すると効果的です。

 

収益が見込めない商品は、積極的にラインナップから外します。

 

越境ECの出店方法を決める

 

出店の方向性が定まったら、出店方法を検討します。越境ECを始める方法には「独自の越境ECサイトを作る」もしくは「既存のプラットフォームに自社商品を掲載する」という方法のいずれかが一般的です。

独自のECサイトを構築する方法の場合、日本法人の事業として行うこともできますが、現地法人を設立するという選択肢もあります。一方で既存プラットフォームを利用する場合でも、国内・海外どちらの越境ECプラットフォームに出店するかの検討が必要です。

 

独自の越境ECサイトを作る方が、既存プラットフォームを利用するよりはるかに難易度が高いです。ただし、既存プラットフォームはマージンとして継続的に手数料が取られ、競合が多い等の理由から集客が難しいケースもあります。また、プラットフォームの管理を他社に完全に依存するリスクがある点にも留意しましょう。

 

独自の越境ECサイトを作るにはサイトを多言語化・多通貨対応にする必要があり、現地でのマーケティングも自社で行わなければなりません。しかし、前述のリスクなく、より柔軟で効果的な運営が可能になります。特に現地法人や事務所を構える場合、発送費用のコストを抑えて素早い配送が可能になり、現地ユーザーからの信頼も獲得しやすい点が魅力です。

 

長期的に越境EC事業を展開していくのであれば、費用対効果の面からも、独自サイトによって運営するほうが効率的と言えるでしょう。または、取り急ぎ手軽に出店するために既存のプラットフォームを利用し、その間に独自のECサイトを構築する方法も効果的です。

 

独自の越境ECサイトを制作する方法

 

 

次に、配送管理や商品選定を行った後、実際に越境ECサイトを制作する流れについて解説しましょう。基本的には自社内製か外注の二択ですが、どちらの場合でも大まかな流れについては把握しておく必要があります。

 

越境EC取引に適したサイトを構築する

 

まず、越境ECに適したサイト準備を行います。既存のECサイトをターゲット国の言語に翻訳し、相手国の通貨による決済に対応できるようにしましょう。公用語が複数ある場合は、なるべく全ての言語に対応できるよう多言語化します。

 

サイトの翻訳ができるツールやサービスは多いですが、基本的にネイティブによる翻訳サービスの利用は必須。機械翻訳や非ネイティブによる翻訳では、ネイティブに「怪しいサイト」という印象を与えてしまう場合が多く、会社のブランド力を下げるマイナス要因となりうるためです。

 

※サイトのネイティブ翻訳や多言語化については、こちらの記事で詳しく説明しています。

 

また、CMSやサーバといったインフラ環境をどうするか、という点も事前に考えておきましょう。例えば、各国向けのサイトを1つのCMSで管理するのか、日本とは別に制作するのかといった点です。サイト公開後の管理方法を見越して、あらかじめを決めておきましょう。

 

また、現地顧客が使用する決済手段はなるべく網羅して導入しておきます。

 

問い合わせ・トラブルに対応できる体制を整える

 

自社で独自のECサイトを制作する場合、問い合わせやトラブルに対応できる体制を整えておく事が大切です。

越境ECは輸送距離が長くなる分、物流トラブルが起きる確率も上がります。入念な梱包はもちろん、商品の流通について問題が起きた場合は迅速に原因を把握・対処できる体制を整えておきましょう。

 

顧客が誤解しない明瞭な説明をサイトに掲載し、問い合わせやクレームに対応できるカスタマーサービスも準備してください。

ただし、全ての問い合わせをカスタマーサービスで対応すると負担がかかります。そこで、「よくある質問」ページを作成するか自動チャットボットなどを活用し、定型的な質問に自動的に返信できるシステムを構築しておくことをお勧めします。

 

また、ある程度費用は掛かるものの、万が一の時のために「生産物賠償責任保険」に加入しておければ理想的です。

 

サイト公開後の現地マーケティングを手配

 

独自のECサイトを制作する場合、公開後に現地マーケティングを行うことが非常に重要です。

 

まずは、サイト制作の際には現地でのSEO対策に適した形式にしましょう。例えば言語別にURLを分ける、ターゲット国のサーバーを利用する、等の対策が代表的です。

 

その後はグローバルにユーザーを抱えるSNSや動画プラットフォームの活用、SEOコンテンツなどを作成して積極的なマーケティングを行っていきます。

 

ただし、効果的なマーケティングのためには入念なターゲティングが欠かせません。

例えばSNSの場合、英語圏では日本よりも「Facebook」の利用率が高い傾向にありますが、若年層には「instagram」や「TikTok」が人気を集めています。一方で中国圏では「Weibo」と呼ばれるSNSが最もシェアを獲得しており、同プラットフォームへの広告配信が効果的です。

また、現地のインフルエンサーにプロモーションを依頼する方法も、高い効果が期待できます。

 

越境ECサイト制作を発注する会社の選び方

 

 

とはいえ、過去に国内でのみ事業を展開していた企業の場合、多言語サイトの構築や現地マーケティングは難易度が高く、現実的に内製は難しいでしょう。そこで最後に、越境ECサイトの制作を発注する企業の選び方をご紹介します。

 

越境ECサイトの制作・運営には多様な専門性が求められるため、制作にあたって各作業を分けて発注すると一元管理ができず煩雑になるほか、費用面でも無駄が多くなりがちです。そのため、なるべく一括で依頼できる企業を選びましょう。

 

具体的には、各国の文化と商習慣に通じており、海外の現地調査から、ウェブサイト制作とネイティブによる多言語翻訳、サイト公開後のマーケティングまで一括で対応できる企業を探します。

 

PJ-T&C合同会社は、そんな越境ECサイト制作のトータルサポートが可能なWEB制作会社です。

 

多言語ウェブサイトの画像

 

ターゲット国の現地調査では、「現地の既存のECサイトに関する調査」「現地出身者によるECサイトの出来栄え確認」「現地のインフルエンサーへの宣伝依頼」などをご提供します。

 

翻訳は完全にネイティブが行い、英語や中国語のほか、スペイン語、ベトナム語、韓国語など「ほぼ全ての主要言語」に対応。ただ外国語に変換するだけでなく、ターゲットの文化によって言い回し等を調整する「ローカリゼーション」を行い、よりマーケティングに効果的な翻訳を行います。

越境ECサイトの公開後も、英語・スペイン語といった外国語でのマーケティングにより、長期的なエンゲージメントの増加に貢献が可能です。

 

また、PJ-T&C合同会社は別事業としてセキュリティツールのECサイトを運営しており、EC市場にも深い知見を持ち合わせています。

 

越境ECについて悩みをお持ちであれば、まずは無料でご相談ください。

海外市場に精通したサイト制作のプロが、じっくり丁寧にお答えいたします。

 

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