主にイーサリアム基盤の仮想通貨を管理するツールとして、メタマスクは投資家から大きな支持を得ています。メタマスクを利用するメリットは、一般的な仮想通貨取引所のような中央集権的管理によるリスクが少なく、さらに手数料を自由に調整できる点です。本記事ではメタマスクを利用するか判断できるように、メタマスクの概要や使い方、リスクを解説します。
この記事の目次
WEBウォレットの代名詞「メタマスク」とは
メタマスクは、主にイーサリアム基盤のトークンやサービスを利用する際に使用できるWebウォレットです。まずはメタマスクの概要と、中央集権取引所と比べたメリット・デメリットを紹介します。
メタマスクの概要
メタマスクは仮想通貨の保有に利用できる他、現在リリースされているDeFi(ディーファイ)サービスや、NFTに連携して取引をサポートします。メタマスクは汎用性の高さと無料で利用できる敷居の低さから、多くの投資家に愛用されています。
DeFiとは、中央の管理者を排除することで、従来の金融システムよりも高い透明性を実現する分散型金融システムを指します。またNFTとは、ブロックチェーン上に記録される代替不可能なデータで、デジタルデータと紐づけることでデータに対する所有権の付与を実現します。
市場規模が拡大を続けるイーサリアム系のNFTゲームやDeFiサービスでは、メタマスクを通した決済が必要とされる場合も少なくありません。
中央集権取引所と比べたメリット
仮想通貨取引所と比べたメタマスクのメリットは、まず取引所の中央集権性に基づくリスクを回避できる点でしょう。
直近では2022年に発生したFTXの破綻事件で、運営企業に仮想通貨の秘密鍵を預けるリスクがさらに問題視されるように。この事件を受け、多くの仮想通貨投資家は中央集権取引所よりも安全な資産の保管方法を模索し始めています。そういった文脈から、無料で手軽に利用でき、以上のようなリスクを回避しつつ資産を保有する選択肢として、メタマスクが今一度注目を浴びています。
また、自由に手数料を設定できるところも、メタマスクを利用するメリットの一つです。メタマスクにおける取引では、イーサチェーンにおける送受信の際に「ガス代」と呼ばれる手数料が発生します。イーサチェーンは、1秒間に承認できる取引の量が決まっているため、その上限を超えた量の取引が行われる場合、手数料を多く支払った順番でトランザクションが処理される仕組み。つまり、手数料を多く払って迅速な処理を行うか、処理が遅くなったとしても手数料を抑えるか、ユーザーが選択できるということ。
ちなみにガス代の単位はGwei(ギガウェイ)で表し「1Gwei=0.000000001イーサリアム」に換算されます。
中央集権取引所と比べたデメリット
中央集権所を比較した際、メタマスクは仮想通貨取引の利便性という面では劣る場合があります。メタマスクは対応チェーンの追加にも力を入れており、最近ではイーサリアムだけでなくBSC(バイナンススマートチェーン)やFantom、PolygonやAvalancheなど多くのイーサリアム系チェーンを統合しています。
しかし依然として、元祖仮想通貨であるビットコインチェーンには対応しておらず、人気のソラナチェーンなども未対応です。取引の利便性の面では、膨大なトークンを自在に取引できる海外取引所などに軍配が上がります。
今日から始めるメタマスクの使い方
メタマスクの基本やメリット・デメリットをご紹介したところで、続いてはメタマスクの利用方法を解説します。
メタマスクの登録方法
まずは、メタマスクの登録方法を解説します。
- PCであればブラウザの拡張機能、モバイルであればアプリストアから専用アプリをダウンロードする
- パスワードとシードフレーズを設定する
アカウントのパスワードと、アカウントを復旧させるために必要なシードフレーズを設定します。
メタマスクは個人で管理するウォレットのため、パスワードとシードフレーズを盗難や紛失してしまった場合は、メタマスク内の仮想通貨が盗まれる恐れがあります。必ず保存して、誰にも見られないように厳重に管理しましょう。
メタマスクの利用方法
メタマスクの登録が完了すると、仮想通貨の管理が可能になります。ここからは、メタマスクの使い方を解説しましょう。
1.購入した仮想通貨をメタマスクに送金する
メタマスクの画面上部にあるウォレットアドレスをコピーし、取引所の管理画面を開きます。イーサリアムの送る数量や手数料などを問題ないか確認してから、メタマスクに送金しましょう。
2.メタマスク内でトークンを保管、もしくは各種サービスに仮想通貨を送金する
メタマスクを仮想通貨やNFTの保管用ウォレットとして使用できる他、各種Web3サービスと連携して仮想通貨の送金元ウォレットとしても利用可能です。
各種サービスとメタマスクを連携するときには、フィッシングサイトではないか念入りに確認しましょう。
実際、2020年12月にメタマスクウォレットがハッキングの被害に遭い、8億円もの仮想通貨が奪われた事件がありました。手口としては、メタマスクをNFTゲームなどに接続するときに、フィッシングのポップアップに署名させ、保有者のPCに潜入して仮想通貨を盗んだとされています。こうしたリスクは、一般的に認知されており、安全性が確認できるサービスとのみ連携させる事で回避可能です。
メタマスクが抱える潜在的なリスク
メタマスクはハッキングなどのリスクを抱えており、必ずしも安全とは言い切れません。ここからは、メタマスクが抱える3つのリスクを紹介します。
ホットウォレットのリスク
メタマスクは、インターネットに接続された状態で仮想通貨を保管する「ホットウォレット」の一種です。ホットウォレットはインターネット環境があれば、場所やデバイスにかかわらず簡単にアクセスできる利便性が特徴。
しかし、どこからでもアクセスできる分、ハッキングや不正アクセスのターゲットになるリスクが高く、多額の資金の保管用に使用するウォレットとしては安全性に不安があると言えるでしょう。
例えば2021年4月、DeFiプロジェクト「EasyFi」のウォレットから、約80億円の仮想通貨が盗まれました。「EasyFi」の設立者Ankitt Gaur氏は「メタマスクの脆弱性を付け込み、ハッキングされた」と発言しています。
中央集権化が進んでいるリスク
また、2022年11月にメタマスクがIPアドレスに関するサービス利用規約を変更し、批判を集めています。この変更によって、メタマスクを運営している会社ConsenSys(コンセンシス)が構築したブロックチェーンインフラ「Infura」に、メタマスクユーザーのIPアドレスなどの情報が共有されるようになります。
このような変更は中央集権化の一歩と捉えられており、ブロックチェーン技術が持つ最大の価値である分散性を妨げ、脆弱性を増加させる可能性等が懸念されています。
個人で資産を管理する最適な選択肢「ハードウェアウォレット」
確かにNFTゲームなどをプレイする際には必須と言ってもいいメタマスクですが、資産の保管する場合は安全性に懸念が残ります。そういった問題を背景に、仮想通貨を守る手段として日本でも少しずつ認知が広がっているのが、安全性と利便性に優れたハードウェアウォレットです。
数あるハードウェアウォレットの中でも画期的なデザインで注目を集めているのが、IT産業が活発な台湾で生まれた「AT.Wallet」。一般的なハードウェアウォレットのようにPINを使用する必要がなく、指紋認証だけで迅速な送金認証ができる利便性が高く評価されています。「AT.Wallet」はセキュリティ面も徹底されており、高性能セキュリティチップとして知られる「Infineon Secure Element(SLE97、 EAL5+ SE)」を使用しています。
利便性を追求したデザイン・高いセキュリティを兼ね備えた「AT.Wallet」は、正規代理店であるPJ-T&C合同会社のオンラインストアでお求めください。
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